管理会社の会計処理

活動記録

賃貸住宅管理業法の施行からまもなく3ヶ月。昨年、施行に伴い管理契約書をマイナーチェンジしていましたが、より細かい内容を記載した契約書にフルモデルチェンジの予定です。管理のスタンス自体はそれほど変わりはありませんが、家賃滞納や退去精算金未納などのトラブル対応や、修繕などのサービスリクエスト対応、営業時間外の対応などの業務フローを見直し、よりシンプルな管理契約にしたいと思っています。

標準契約書から自社のモデルに契約書を作り直し、リーガルチェックを受けて弊社の管理契約書が出来上がるわけですが、あれもこれも盛り込もうと思うと結構大変な作業です。しかし、こんな管理契約書の変更以上に、この賃貸住宅管理業法の施行により、大きな業務負担を強いられる会社が、密かにあるのではないかと思っています。

その理由は、賃貸住宅の管理を行う会社の中には、入居者から預かった家賃を会計帳簿に計上していない会社が少なからず存在しているためです。管理会社は、何百万、何千万という単位のお金の出入りはあれど、実際に売上となる管理料はわずかであるため、預かった家賃は簿外で処理を行い、管理料だけを売上計上している会社があるのです。

普通の企業では少し考えられない様な話ですが、アパート毎に専用の通帳を作成し、集金や送金をその通帳の中で完結させる方法で預かり家賃を管理している会社はまだ存在すると思います。極めてシンプルな方法ですが、会社の資金と混同することもなく、簿外で預かり家賃を処理することが可能です。この方法は、以前税理士にも提案されたことがありますし、今だに銀行のATMで、何枚もの通帳の記帳を行っている不動産会社のスタッフらしき女性を見かけますので、恐らくまだその方法は健在だと思っています(汗

しかし、今回の賃貸住宅管理業法の施行により、預かり家賃の管理方法は明確に定められ、①家賃・敷金等の専用口座を設けること、②帳簿・会計ソフト上で分別管理を行うこととされました。

賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務(第二条第二項第二号に掲げるものに限る。以下この条において同じ。)において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別して管理しなければならない。賃貸住宅管理業法 第16条(分別管理)

事実上、簿外での取り扱いは禁止されたことになります。これまでは通帳の中で完結していた家賃の管理が、会社の会計帳簿上で管理が必要となったわけです。スタッフの人数も少なく、一人一人の業務量も多い管理会社も存在するため、そういった会社にとって今回の賃貸住宅管理業法の施行は、少なからず負担が増えるのではないかと思っている次第です。

弊社でも開業当時から、不動産管理会社としての会計処理には大変頭を悩まされましたが、会計ソフトの変更やフィンテックの活用などを経て、解決を図ってきた歴史があり、今では明確な管理ルールを構築出来たと思っています。管理会社がお預かりしているのは、あくまで他人のお金。法律があってもなくても、しっかりとした管理が必要ですね。