生命保険の支払いが負担に感じたら・・・

活動記録

少し前のブログで、新型コロナの影響で収入減になった方向けに緊急の生活資金確保等の話を書きましたが、収入減となった時こそ負担に感じやすく、家計の中でもメスが入りやすいのが生命保険です。住居費や車両費と同様に割と高額な商品であるにもかかわらず、家や車と違い目に見えるサービスはなく、目的はもしもの時や遠い将来のためであるため、負担を感じやすいのだと思います。

僕も起業前に生命保険のセールスをやっていたこともあり、未だに保険についてはよく相談を受けますが、保険の相談で多いのはやはり保険料が負担に感じるというケース。ちょうど、今日も保険の継続について相談がありましたが、このコロナの影響で負担を感じている方も多いのではないかと思い、ここで共有することにしました。

保険料が苦しくなった時の6つの処方箋

生命保険の販売などの経験がある方や、家計の見直しをされる方など、保険に精通している方ではないと基本的に知らないと思いますが、生命保険という商品は契約期間が長いため、契約後にも色々カスタマイズすることが出来る様になっています。ここでは、保険料の支払いが困難になった場合に有効な生命保険の6つの手続きについてご紹介します。

1、解約

まずは、誰もが考え得る解約です。解約すれば未来永劫月々の保険料のお支払いはなくなります。また、解約返戻金(解約したら戻ってくるお金)がある契約であれば、その受取も可能です。しかしながら、生命保険は「一旦解約して余裕が出来た時に再度契約しよう」と、その場凌ぎで解約すると、次の契約の際には以下のようなリスクがあります。

解約のリスク
・健康状態によっては、契約出来ない可能性がある。
・健康状態によっては、条件が付く場合がある。
・同等の商品でも、高くなる場合がある。

生命保険にご加入当時は、体況に問題がなくとも、年を取れば変化します。生命保険は、年齢と体況が契約に大きく関わりますので、解約の際はしっかりと保険の目的や解約のリスクを確認した上で判断する必要があります。

2、減額・一部解約

減額とは、保険の大きさを小さくする手続きで、保険契約上の保障額を小さくすることで、支払う保険料が小さくなります。解約同様、解約返戻金がある契約は、減額した分に応じて一部解約返戻金も支払われます。解約返戻金の一部を使いたい場合、昔の保険契約で、今は必要な保障額が少なくなっている場合にはオススメです。しかしながら、減額した部分はもとには戻せず、今後の契約は解約同様のリスクがありますので、ご注意下さい。

3、変換

保険契約は、基本的に解約返戻金がある保険は高く、解約返戻金がない掛け捨てのタイプは安くなっています。変換は、コンバージョンとも呼ばれ、契約している保障額をそのままに、健康状態の制限なく、保険の種類を変える制度です。

イメージとしては、保障額1000万円で月々20,000円の終身保険に加入していた人が、保障額1000万円で月々3,000円の定期保険に変えるという感じです。変換は、解約して再契約するのとは違い、保険に付与されている変換権を行使し、体況などの審査なく加入が可能となります。この場合であれば、終身保険の解約返戻金が一旦支払われ、もしもの時の保障1000万円(実際は返戻金の額によって少なくなります)は維持したまま、掛け捨てになったことで月々のお支払いも下がるという、一石三鳥になりえる方法です。

しかしながら、この変換という制度は、制度自体が使えない会社もあります。契約の内容によっても、使える契約と使えない契約があるので確認が必要です。また、変換という制度は、保険の販売をしている人でも知らない人がいるので、ご相談の際も注意が必要です。保険を大切にされている方、体況に不安がある方などにはメリットがある制度ですので、一度ご確認頂けると良いかと思います。

4、払済保険

この制度は、現在契約している保険の解約返戻金を一時払保険料に充当して、契約期間は従来通りで保障額が減額された保険に変更される制度です。充当するだけの解約返戻金が必要であるため、解約返戻金があるタイプの保険しか出来ない手続きですが、手続きをすると支払いが止まります。

払済のメリット
・保険料の負担がなくなる
・小さくはなるが保障も維持できる
・充当した解約返戻金も少しずつ増える

 

払済のデメリット
・保障額が小さくなる
・一般的に特約が消滅する

5、延長(定期)保険

延長は、払済保険と同様に現在契約している保険の解約返戻金を一時払保険料に充当する手続きですが、払済保険が保障額が減額されて契約期間がそのままであるのに対し、延長は保障額はそのままで契約期間が短縮される制度です。払済同様、解約返戻金があるタイプしか出来ない手続きです。手続き後の支払いは不要です。

延長のメリット
・保険料の負担がなくなる
・保障額が維持できる
・解約返戻金が返ってくることがある
延長のデメリット
・保険期間が定期になり短縮される
・一般的に特約が消滅する

6、契約者貸付

生命保険には、解約返戻金の一部を借りることが出来る制度があります。契約者貸付(けいやくしゃかしつけ)と呼ばれる制度です。保険会社が契約者に貸付する制度なので、逆から言えば契約者が保険会社から借入をするという事です。概ね解約返戻金の7~9割が借りられる様になっています。自分が払ってきた保険料を借りるのは何だか釈然としないものがあるかもしれませんが、考えようによっては便利な仕組みだと思います。

契約者貸付のメリット
・保障を維持したまま解約返戻金を使える
・審査などもなく、入金も早い
・カードローンなどより金利が低い
・上限までは何度でも利用できる
・返済のタイミングや手段が幅広い
契約者貸付のデメリット
・良い保険であるほど利息が高い
・元利金が解約返戻金を超えると保険が失効する
・満期時などに元利金が差し引かれる

また、契約者貸付には「自動振替貸付」なる制度もあり、解約返戻金の範囲内で保険料を契約者貸付によって立て替える仕組みがある保険会社もあります。この制度がある会社で解約返戻金のある保険にご加入であれば保険料を支払わずとも保険が継続されます。

契約者貸付、自動振替貸付は、保険料の支払いが困難である状態が、一時的なものである場合などではとても有効な制度だと思いますので、ご自身の保険契約をご確認頂ければと思います。

「保障」と「積立」は分けて考えましょう

生命保険の一番大きなメリットは、加入したその日から大きな保障が手に入ることです。家計を支える働き手が死亡した場合のお金の問題を、保険料を支払う事で保障するという素晴らしい金融商品です。しかしながら、TVで「○○歳でも入れます!」と仕切りに保険のCMをするのを見ればわかる様に、いつか加入が出来なくなる商品であり、入りたいという時には入れないのが生命保険です。

一般的に、定期保険などの掛け捨ての商品は保険料が安く、養老・終身保険などの解約返戻金のある商品は保険料が高くなっていますが、保障が大きいのは安い掛け捨ての保険です。「掛け捨て」という言葉が、何となく無駄な出費のイメージを与えるかもしれませんが、有事の際に家計を救うのはその掛け捨ての保険なのです。

保険料の支払いがいくら大変になったとは言え、解約や減額を検討するには優先順位があります。保険の目的を今一度考えた上で、お手続きをされることをおすすめします。

同じ様な保障内容でも、保険会社によって保険料は違います

金融庁に登録されている生命保険会社は、現在42社(令和2年5月1日時点)となっています。同じような保険でも、一番安いところと一番高いところがやはりあります。月々の支払には大きな差はなくとも、長い間に支払う金額を考えると大きな差になるのが保険料です。安ければ良いというわけではありませんが、家計に見合わない商品もあるのも事実。大切な保障の部分である掛け捨ての保険も、出来れば安くなってほしいですよね。

保険の見直しは、必要な保障額を見積もったうえで、自分に合った保険を選ぶことが大切。何となく続けてきた保険も、”stay home”のいま、一度見直しをするのも良いかもしれませんね。